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A Precious Jewel [Historical]

Miss Priscilla Wentworth は、父親と兄を相次いで亡くし資産を相続した遠縁の一家から厄介者扱いされる立場となってしまいました。彼女のgoverness だった Mrs. Blyth’s が経営している学校の教師として自活の道を選びました。ところが、その学校は courtesan 養成学校で Mrs. Blyth’s は なんとbrothel を経営していることを、ロンドンに着いた後で知りました。一旦、自活の道を選んだ Priscilla は、もう遠縁の一家を頼ることもできず 30歳の誕生日に母が遺した遺産を受け取る日までcourtesan の Prissy として生きていくより他なくなってしまいました。
A Precious Jewel

A Precious Jewel

  • 作者: Mary Balogh
  • 出版社/メーカー: Dell
  • 発売日: 2009/11/24
  • メディア: マスマーケット


Sir Gerald Stapleton は、Mrs. Blyth’s の brothel に定期的通いいつも同じ courtesan を指名していましたが、今日はあいにくいつもの相方が風邪で客をとれない状態と知らされます。 Mrs. Blyth’s に、空いているいる courtesan に会うだけでもどうか とすすめられた Sir Gerald は、あまり気乗りしませんでしたが、会うことにします。 現れた Prissy が気に入った Sir Gerald は、彼女のなじみの客になります。

Prissy といると心が休まると感じる Sir Gerald は、Prissy に通い詰め とうとう週に3日も通うようになります。そんなある日、いつものように Prissy を訪ねた Sir Gerald は、彼女が顔を腫らし体に傷を負っていることに気がつきます。自分の前の客にそのような目にあわされたことを知った Sir Gerald は、即座に Prissy を自分の愛人として身請けすることを決めます。

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評価:A

Mary Balogh の再販された本です。Baronet と courtesan という、普通ならハッピーエンドはあり得ない話ですが、二人の心情がせつせつと描かれています。家族の死により大きく運命を狂わされながらも、世間や遠縁の一家を恨むでもなく 現実をそのまま受け入れて 多くを望まず生きている Priscilla。母親が流産死産を繰り返し、唯一生存したものの 生来の不器用さと飲み込みの遅さから父親の失望の種となり、母親に8歳のときに見捨てられたと信じる Sir Gerald。父親が後妻に迎えた 自分よりほんの少ししか年が変わらない Helena との関係から女性不信となり 決して結婚なぞしない と固く誓っていて、Prissy に強く惹かれている気持ちを認めることができません。

Prissy の行動をよく観察すれば、彼女が上流の出身であることを直ぐに気付くと思うのですが、Sir Gerald の性格設定と年齢(20代後半)の割には世間知らずなことから、不自然さはありません。The Ideal Wife のスピンオフ(ヒーローが親友同士)ですが、読んでいなくても 特に問題はありませんし、ネタばれもありません。
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