The Forbidden Rose

ロベスピエールが恐怖政治を行っているころ
パリ郊外の暴徒による略奪にあったシャトー

Marguerite de Fleurignac, フランスの侯爵令嬢は、スコットランド人家庭教師のMaggie Duncanとして隠れ住んでいます。金目のものはすべてシャトーから持ち去られ、文無しの状態です。そんなところに、顔に傷跡のある行商人Guillaumeと使用人の少年Adrianが通りかかります。

GuillaumeことWilliam Doyleはイングランドのスパイで、Fleurignacs侯爵を探しています。娘のMarguerite が居場所を知っているか連絡手段を持っているとにらみ、彼女に近づこうと計画いたのでした。Adrianは彼の元へ来て間もなくて部下とまではいかず使い走りをしています

互いに正体を隠しつつ、腹の探り合いをした結果、３人でパリのFleurignacs侯爵家のタウンハウスへ向かうことになります。

The Forbidden Rose: Spymaster 1 (A series of sweeping, passionate historical romance) (The Spymaster Series) (English Edition)

• 作者: Bourne, Joanna
• 出版社/メーカー: Headline Eternal
• 発売日: 2014/12/04
• メディア: Kindle版

Spymasterシリーズの2作目
１作目は「ドーバーの白い崖の彼方に」として翻訳されています

ドーバーの白い崖の彼方に (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション ボ 1-1 ) (二見文庫 ボ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)

• 出版社/メーカー: 二見書房
• 発売日: 2009/11/20
• メディア: 文庫

「ドーバーの白い崖の彼方に」にはナポレオンのエジプト侵攻後のお話、それに夫婦で登場しているDoyleとMaggieのお話で時代はロベスピエールが恐怖政治を行っていたころです。

Maggieは、元使用人や領地の人たちの協力のもと政府ににらまれた人を密かにイングランドに逃がす活動をしています。Maggieの父の侯爵は、気の向くままに単独で外国に出かけたり国内を移動したりとパリの屋敷にも領地の城にも立ち寄らず世間的には所在不明となっています。

暴徒にシャトーを破壊されて住めなくなったMaggieはパリに拠点を移して活動を継続しようとしますが、パリの屋敷で暮らしているいとこのVictor（ロベスピエールと懇意にしている）の妨害にあいます。また、Maggieをパリまで送ってきたDoyleのことを怪しみ、二人が密かに付き合っているのではないかと疑います。

DoyleとMaggieはパリまでの道のりで恋に落ちるのですが、イングランドのスパイとフランス穏健派で国内に留まることが危険な人間をイングランドに密入国させる活動家では、恋に突き進むことは難しい状況です。その上、DoyleはMaggieの情報をほぼすべて知っているのですが、MaggieはDoyleの名前も身分もスパイとしての行動の目的も全く知らないとことから関係が始まります。

先が読めない展開で、脱獄、ジャコバン派への政治工作などハラハラドキドキのお話でした。
パリの建物はその地下で切り出された石を使って建築されていて、そのためパリの地下には大きな地下空間があり複雑に張り巡らされている坑道でつながっていることを知りました。

Maggieの活動ではメンバーはコードネーム？を使っていて、名前の時とコードネームの時があるため慣れるまで混乱しやすかったです。MaggieのコードネームはFinch

Doyleも偽名を複数使用、外見や話し方も名前に合わせて変えています。これも混乱の元
フランス革命あたりの政治家の名前をあまり知らないのと、アルファベットの綴りとカタカナが結びつかないし、Kindleの辞書に載っていなかったりで混乱

Fouché ジョゼフ・フーシェ
Tallien ジャン＝ランベール・タリアン
Vadier マルク＝ギョーム・アレクシ・ヴァディエ
d'Herbois　ジャン＝マリー・コロー・デルボワ

日本語で読みたかった....

OwlことJustinとAdrianがいい雰囲気だったので、二人がH/Hになるお話があるかも　と期待できます。

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