My Lord and Spymaster

Jess こと Jessamyn Whitby は、12歳のころ貿易を生業にしている父親が帰って来なくなったため、母と二人でロンドンの貧民街で暮らすようになりました。そこで生き抜くために、スリやピッキングを身に着け、貧民街を牛耳るLazarusの元の窃盗団の一員となりました。

数年後、帰国できたJessの父親が彼女を窃盗団から足抜けさせ、その後は裕福な貿易商の娘として主に海外で暮らしつつ、教育を受け父の仕事を手伝うようになります。ある日、父がナポレオンに情報を渡した疑惑で英国情報部に逮捕されてしまいます。

Captain Sebastian Kennettは、ナポレオンに情報が漏れたことで彼の保有する船と乗組員を失います。誰が英国を裏切ったのか必死の捜索の末、貿易商の Josiah Whitby が Cinq と呼ばれる売国奴である証拠をつかみ、英国情報部のAdrianに働きかけて彼を逮捕させます。

父が Cinq ではないと確信している Jess は、Sebastian こそが Cinq で自らの正体を隠すために父を嵌めたのではないかと疑います。

My Lord and Spymaster: Spymaster 3 (A series of sweeping, passionate historical romance) (The Spymaster Series) (English Edition)

• 作者: Bourne, Joanna
• 出版社/メーカー: Headline Eternal
• 発売日: 2015/01/08
• メディア: Kindle版

Spymasterシリーズの３作目
１作目は「ドーバーの白い崖の彼方に」として翻訳されています

ドーバーの白い崖の彼方に (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション ボ 1-1 ) (二見文庫 ボ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)

• 出版社/メーカー: 二見書房
• 発売日: 2009/11/20
• メディア: 文庫

「ドーバーの白い崖の彼方に」のH/Hは登場しませんが、AdrianとDoyleが登場します。
時代は、ナポレオンがイギリスと覇権を争っていたころのようです。年号が書かれていないのと、私の知識不足で正確な年代はわかりませんでしたが、Adrianが出世しているようなので、1作目より後の時代と思います。舞台はロンドン

H/Hともに互いが Cinq またはその一味と疑っているものの、惹かれ合っていきます。
Jessは父の疑いをはらすためにSebastian が Cinq である証拠をつかもうと、子供のころに身に着けた技を駆使して捜索を続けます。しかし、彼女が捜索していることを快く思わない勢力に命を狙われたり、彼女の美貌と父親の財産狙いに追われたりして身辺に危険がせまります。

Jessがペットとして可愛がっているフェレットは、忍び込み時の斥候につかったり、他にもJessの居所を突き止める時に役に立ったりと大活躍でした。単に珍しいペットを飼っているダケではなったです。

Sebastian は、今でこそ交易の仕事をしてロンドンの高級住宅街に屋敷を構えるまでになっていますが、子供のころはJessとあまり変わらない生活でした。上流階級の父親が労働者階級の女性に手を付けて生まれた私生児で、母親の元で貧しい生活をおくっていました。ある日、父方の叔母に引き取られてから、教育と上流階級のマナーを身につけたことで人生が変わりました。

Sebastian の父方の一族はお金に困っているようで叔母夫妻やいとこたちもSebastian の屋敷に住まわせてもらっています。金銭的にはSebastian が上回っている状況です。

ストーリーは、誰が Cinq なのか突き止めて、Jessの父の冤罪を晴らすことができるのかが軸でJessの過去の清算が絡み複雑に進みます。ハラハラ、ドキドキのお話で早く読めないのがもどかしく、できれば日本語で読みたかった....

１作目から名前だけ登場しているLazarusがロンドンの貧民街を牛耳る犯罪組織の親分で、その名は代々襲名されている　ということがわかりました。Adrianも少年時代は彼の元にいて、Doyleがカードで勝ったことからAdrianを引き取ったことが、2作目で語られていました。

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