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The Accidental Wedding [Historical]

Mr. Nash Renfrew は、外交官としてロシアに赴任しており現在イングランドに一時帰国中です。この機会に外交官の妻として相応しい女性と結婚しようと考えます。でも、とにかく時間がないため伯母に妻として必要な条件を伝えて候補者を選んで欲しいと依頼しました。

Miss. Maddy Woodford は、准男爵の父親と義母を亡くしたあと5人の異母弟妹を育ててきました。ある日、Maddyは、単騎の紳士を見かけました、このあたりの人ではないな と思って見ていると、馬が足を滑らせた拍子にその紳士は落馬します。急ぎ現場に向かったMaddyが目にしたのは、頭に傷を負って意識不明で昏倒している身なりの良い紳士でした。何とか苦労して自宅に連れ帰り看病をすることになりますが、この時代に未婚の女性が付き添いもなしに親族以外の男性と一つ下の家で暮らすことは問題です。

The Accidental Wedding (Berkley Sensation)

The Accidental Wedding (Berkley Sensation)

  • 作者: Anne Gracie
  • 出版社/メーカー: Berkley
  • 発売日: 2010/10/05
  • メディア: ペーパーバック


Maddyを心配する村の牧師や医師は、男性の意識が回復次第 牧師館に移送するようにと薦めてくれました。そうは言っても意識不明の状態のまま移送するのは良くないという考えもあり、意識が戻るまでとの約束でMaddyが看病をすることになります。ところが、意識を取り戻した紳士は自分の名前も、家族もなにも思いだせません。この状態で知らない牧師館に移ることを嫌がるその紳士に同情したMaddyは、しばらく滞在することを承知します。

数日のうちにその紳士は自分がNash Renfrewで、伯父が残した遺産を相続するために伯父の屋敷に向かう途中であることを思い出します。でも、Maddyに惹かれたNashは、もう少し一緒にMaddyと暮らしたいと思い記憶が戻ったことをMaddyに知らせません。ところが、Nashの行動が元で意識を取り戻した男性がMaddyの家にいることが村人の知るところとなってしまします。

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評価:A

Anne Gracie のDevil Rader シリーズの4作目です。三作目までは翻訳されているため読まれた方も多いと思います。私は二作目のHis Captive Lady(邦題:琥珀色の夢をあなたと)のみ読んでいます。二作目のヒーローHarry は、Nashの異母弟(父親である伯爵がメイドに産ませた)で、過去にはいろいろ確執がありましたが、このお話の中では和解しています。

このシリーズは、Renfrew兄弟がヒーローと勘違いして三作目を飛ばして本作を読んでしまいました。Harryも伯母に花嫁探しを頼んで出かけた先で身分違いの伯爵令嬢と恋に落ちますが、Nashも同じ なのに笑えました。Nashは、外交官夫人として洗練された社交術を備えた女性が好ましく、貧しい小屋に住みレディをしてのまともな教育も受けていなさそうなMaddyと結婚することはできないと考えています。それに、自分が恋に落ちた自覚が全くありません。自分の両親が恋愛結婚で、その後の愛憎劇に子供を巻き込んでしまう様子を見ていたので仕方がないかもしれません。

Maddyの母親はフランスの伯爵令嬢で、Maddyは母親が亡くなったあと祖母である伯爵夫人と暮らしていました。革命ですべてを失ったMaddy の祖母ですが、往時のことは忘れずいつか必要な時がくるに違いないとMaddyにフランス宮廷のマナーを厳しくしつけていました。Maddy自身は自分の出自は立派であると考えていますが、母方の親族はすべて革命で亡くなっているため、過去の栄光について語るのをよしとせずNashには詳しいことを語りません。

急速に惹かれあっていく二人ですが、未来がなく結婚はあり得ないと承知しています。もっと早くにNashがI am head over ears in love with Maddy. と気づけ って感じですが、周囲がみんな気づいているのに認めようとしない朴念仁....かな~り後になるまで気づかない。(笑

とりたて捻った展開があるわけではありませんが、NashとMaddyの気持ちが丁寧に描かれているのが良かったです。Maddyの弟妹も子供らしくて可愛く、あのMarcusがNashに言いくるめられてやったことといったら、2作目で登場したときからは想像もつきません。(笑

これでRenfrew兄弟うち独身なのは、長兄のMarcus Renfrew, the earl of Alverleigh だけですが彼のお話は書かれるのかな?

2012.01 翻訳されました。

眠れる相続人に口づけを (ラズベリーブックス)

眠れる相続人に口づけを (ラズベリーブックス)

  • 作者: アン グレイシー
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2012/01/10
  • メディア: 文庫



一作目
麗しのプリンセスとくちづけを (フローラブックス)

麗しのプリンセスとくちづけを (フローラブックス)

  • 作者: アン グレイシー
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2009/07/03
  • メディア: 文庫

二作目
琥珀色の夢をあなたと (フローラブックス)

琥珀色の夢をあなたと (フローラブックス)

  • 作者: アン グレイシー
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2009/09/03
  • メディア: 文庫

三作目
まだ見ぬあなたは海を越えて (フローラブックス)

まだ見ぬあなたは海を越えて (フローラブックス)

  • 作者: アン グレイシー
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2010/11
  • メディア: 文庫


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