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The Temporary Wife [Historical]

Anthony Earhart, the Marquess of Staunton は、友人たちからgovernessの求人広告を出したことで隠し子でもいるのでは? と聞かれます。隠し子などいないし、governessも必要ないとこたえたStauntonは、応募者の中から妻を選ぶつもりでいることを明かします。

Miss Charity Duncanは父親が大きな負債を抱えて亡くなった後、田舎に未成年の弟妹たちを残し成人した弟のPhilipとともにロンドンで仕事をしていました。ところが、不当な理由でgovernessを解雇されてしまいます。新しい仕事を探しているものの、なかなか見つからないCharity はStauntonからの募集に応じることにします。

Charityを面談したStauntonは、平凡な見かけでモラルの高い人柄であることが気に入り便宜結婚を申し込みます。実は、Stauntonには父親のthe Duke of Withingsbyが決めた許婚の伯爵令嬢がいます。父親との確執があるStauntonは、父への当てつけのために相応しくない身分の花嫁を連れて帰郷することを計画していました。無事、家族との対面を果たした後は、別々に暮らしCharityの生活全般の面倒はStauntonが見る約束です。父親の負債の返済と弟妹の養育に十分な額になると考えたCharityは、便宜結婚を引き受けました。

The Temporary Wife (Signet Regency Romance, 9143)

The Temporary Wife (Signet Regency Romance, 9143)

  • 作者: Mary Balogh
  • 出版社/メーカー: Signet
  • 発売日: 1997/05/01
  • メディア: マスマーケット


評価:A

公爵領の屋敷に付いたCharityは、Stauntonからの要求通り相応しくない嫁としてふるまうよう心がけます。ところが、Stauntonと父親や兄弟との確執に巻き込まれるうちに家族の間では見えていなかったものに気付いたCharityは、それぞれの間の和解を促すよう穏やかに働きかけていきます。

当初は玉の輿狙いの相応しくない侯爵夫人と家族から思われていたCharityは、次第に家族から信頼を勝ち得ていきます。でも、この結婚は公爵領に居る間だけのもので、その後の生活の保障とお手当に惹かれて結婚を承知したCharityは、罪悪感に苦しむようになります。

Stauntonと父親や兄弟との確執の修復がお話の中心でロマンス色は少し薄いです。Stauntonと父親の間の溝が少しずつ広がり、そして憎しみまで生まれてしまった背景には涙を誘われます。長年のわだかまりがこんなに短い時間で解消されるのか? という気もしなくもないですが、Baloghの人物描写が秀逸で不自然さは感じませんでした。

設定、ストーリの流れは"A Summer To Remember(忘れえぬ夏を捧げて)"とよく似ていますが、特に既視感はありませんでした。

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