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Lord of Scandal [Historical]

Miss Catherine Fenton は、母方の祖父の莫大な財産の相続人です。そのうえ美しいとあって求婚者は何人もいましたが、父親が選んだのは あまり評判のよろしくない Lord Withers でした。ある日、銀行家殺しの罪で犯人が縛り首にされるのを父親の命令で Lord Withers とともに見に行きました。大勢の人でごった返した処刑場にて、小さな弟の姿が見えなくなったため Catherine は、群衆の中に探しに向かいました。

Benjamin, Lord Hawksmoor は、無実の罪で処刑される現場に来ていました。金もなく社交界で確固たる地位もない自分にはどうすることもできないことに、憤りを感じていました。そんな時、美しい女性に目を留めました。こんなところにちゃんとした良家の女性が居るわけ無いため、てっきりパトロンに連れられた高級娼婦と思い込みます。処刑が始まる少し前にその女性は一人で群衆の中に向かっていくことに気がつきました。興奮の坩堝と化した群集の中に女性が一人では危ないと思った Ben は、彼女に近づき 自分の体を盾にして群衆から守りました。
Lord Of Scandal

Lord Of Scandal

  • 作者: Nicola Cornick
  • 出版社/メーカー: HQN Books
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: マスマーケット


処刑が終わった後、Lord Withers が Catherine を敬意のかけらもない態度で連れ戻す様子を見た Ben は、Catherine の パトロンは Lord Withers だと更に思い込みを深めました。

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評価:A

作者は、Nicola Cornick、男爵の醜聞 というタイトルで 近日翻訳が発売予定です。

少々華やかさに欠けるお話ですが、ヒーローとヒロインの心情が良く描かれていて読み応えがあります。上流社会の表側だけでなく、負の面(体面と体裁を保つ為の借金まみれな人、アヘンにおぼれる人、金と権力で動く世の中など)も良く描かれていると思います。

当時の社会習慣や常識を知らないと、登場人物の行動が理解できず 楽しめません。現代の感覚で判断しながら読むと 全く持ってつまらないと思います。例えば、ヒロインの婚約者がとっても嫌な男ですが、ヒロインは行動を起こさず諦めたような気持ちでいます。このあたり、とっとと婚約破棄してしまぇ~ とヒロインを優柔不断でダメな女 と判断する方がいるかもしれません。また、ヒーローがヒロインのことを簡単に高級娼婦と勘違いして強引に迫ったり、彼女が莫大な財産の相続人と知ったとたん、あっさり結婚相手として考え始める点をマイナスと考えるかもしれません。

当時は、良家の女性の行動規範ががっちりしていて、少しでも逸脱すると娼婦と思われるのは当然であったり、良家の男性の結婚相手を決めるにあたって なるべくお金持ちの女性を選ぶのは社会常識で恥ずべきことではない。 ということを知っていると知らないとでは、大分受ける印象が異なります。

英国摂政期の社会知識が少しある方もしくは、ヒストリカルロマンスを読みなれている方向けです。
男爵の醜聞 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

男爵の醜聞 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: ニコラ コーニック
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 新書


タグ:Regency [C]
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