SSブログ

Wicked Intentions [Historical]

Mrs Temperance Dews は、弟のMr. Winter Makepeaceとともにfoundling schoolを運営しています。育てる人のいない子供を引き取っては衣食住と教育の機会を与えるにはそれ相応のお金がかかります。Temperance と Winter の収入だけでは十分な資金にはならないため、二人の父親の裕福な友人からの支援を受けていました。ところが先日、急死したあと遺言にfoundling schoolへの寄付についての記載がないため、foundling schoolはたちまち資金難に陥ってしまいました。

Lord Caire, Lazarus Huntington は、愛人を惨殺した犯人を捕まえよう現場の周辺のEast End界隈の聞き込みを行っていました。貴族の自分とEast Endの人々との間には何のつながりもなく、聞き込みも思うように進みません。そして、East Endでfoundling schoolを運営する Mrs Dewsの協力を得ることを思いつきます。

依頼を受けた Temperanceはためらいますが、Lord Caireの紹介で社交界で新しい支援者を探すことができるとあって、引き受けます。早速、二人で聞き込みに回り始めますが、ある日帰り道に武装した男たちに襲撃されて、Lazarusが負傷してしまいます。

Wicked Intentions (Maiden Lane)

Wicked Intentions (Maiden Lane)

  • 作者: Elizabeth Hoyt
  • 出版社/メーカー: Grand Central Publishing
  • 発売日: 2010/08/01
  • メディア: マスマーケット


評価:B
Elizabeth Hoyt のMaiden Lane Series の1作目です。これまでのシリーズと同様に時代設定はGeorgian です。

foundling school(孤児のための無償の学校)を切り盛りしている未亡人の Temperance と貴族の Lazarus のお話です。Temperance は、brewer の娘で、亡くなった父親は醸造業でそれなりの収入があり、慈善として孤児のための学校を開きました。Temperanceの兄弟のうちこの学校に関わってるのは弟のWinterだけで二人でなんとか頑張っています。

Lazarusは、子供のころに高熱を出した妹に「そんな熱に耐えられない子供はいらない」と父親が医者に診せることを拒否しそのまま亡くなったことから、父親も母親も子供に愛情を持っていないと考えています。誰も愛さない、誰からも愛されない彼がとくに執着していたわけでもない愛人を惨殺した犯人を執拗に追いかける姿は、一種異様です。

また、Temperance の家の周辺には、The Goast of St. Gails という正体不明の人物が現れるととのうわさがあり、おそらくその正体がシリーズの最後で判明するのでは? と思っています。全体的に暗く重たい流れに、Temperance の妹Silence 夫婦を襲った悲劇もありスッキリしない読後でした。次回作は、本作に出てきた公爵令嬢 Lady Hero がヒロインのようです。

タグ:[H] Georgian
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0