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Butterfly Swords [Historical]

758年 --- 唐
Princess Ai Li は、結婚相手(Li Tao)の家に向かう途中で肌身離さず持っているButterfly Swords(蝴蝶双刀)を手に逃げ出します。Li Taoとの結婚は両親が決めたことでしたが、Ai Liには特に不満はなく自分にとって良い夫を選んでもらったと思っていました。ところが結婚の直前にAi Li の兄の死にLi Tao が関わっているという疑いが湧きあがり、この状況で結婚することはできないと考えた末の行動でした。

花嫁行列から逃げだしたAi Li は、空腹の蛮人(白い肌に金髪碧眼とあるのでヨーロッパ系)に自分の食事を与えます。その蛮人Ryamはその食事に毒が盛られていることに気付き、食事を恵んでくれた男装の少女が命を狙われているのではと考えます。食事の恩に報いるためRyamは、Ai Li を追いかけると武装集団に襲われ蝴蝶双刀を手に戦うAi Liを見つけます。Ryamの助けもあって武装集団から逃れたAi Liは、Changan(おそらく長安のこと)に連れて行ってくれたら、十分な謝礼をするともちかけます。

Butterfly Swords (Harlequin Historical)

Butterfly Swords (Harlequin Historical)

  • 作者: Jeannie Lin
  • 出版社/メーカー: Harlequin
  • 発売日: 2010/10/01
  • メディア: マスマーケット


何者かに狙われる若い女性が一人で、一週間ほどはかかると思われる長安までの道を旅するのは大変危険なことです。このため、RyamはAiley(RyamはAi Liをこう呼ぶ)を助けてやりたいと思いますが、長安に行くと自分の身が危険なことから断ります。とはいえ、いろいろな出来事が重なり二人は長安へ向かって旅立つことになります。

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評価:B

唐が舞台のロマンスは初めてで大変興味深く読みました。Aileyは、皇帝の一人娘(他に兄が5人)という設定です。ただし、実際この時代の皇帝は、玄宗(楊貴妃の影響で政治がおかしくなったころかな)のためAi Liの父親が皇帝というのはまったくのフィクションです。Ai Li の家系は西域の防衛を担った一族で、一家はみな武芸に秀でているようです。(唯一直ぐ年上の兄だけが、武術より文学や政治を好む)Ai Li は、蝴蝶双刀を祖母(師範らしい)から習いました。西域の武術一家が子供のない先代の皇帝の後を継いで皇帝になる という設定が、なんだかあり得ないと思う人もいるかもしれません。

風俗や雰囲気は唐っぽいのかなぁ と思いますが、あまりそのころの風俗に詳しくないので、どこまで似ているのかわかりません。シルクロードの交易が盛んでしたので、長安に金髪碧眼の人がいてもおかしくはなかったのかな と思います。

タイトルになっているButterfly Swordsは、蝴蝶双刀という名の通り2つで1組の刀で1つずつ両手に持つか、2つを合わせて片手に持って使います。(詳しい動きは現代のものならYouTubeなどに映像があります。)使う人のひじから手首までの長さを基準に選らぶため、短くブーツや袖の中に隠し持つことができます。

Aileyは儒教思想にのっとった考え方をするので、Li Taoが兄の敵である可能性が高く、ひいては父の皇帝を脅かすかもしれない と考え一族のためにこの結婚は止めるべきと考えています。このため、両親が兄のことを承知でそれでも家のため国家のために結婚を望む ことがわかるとあっさり結婚を承諾する という行動にでます。こう言った点が、今風の考え方とはずれていますので好みが分かれるかもしれません。
タグ:China
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