The Duchess War [Historical]
Robert Blaisdell, the Duke of Clermont は、図書室の窓辺で外を見ているときに、顔に傷のある若い女性が入室してきたのことに気が付きました。その女性からはRobert はカーテンの陰になっていて見えませんが、声をかけるタイミングを逸したため黙って女性のことを見ていました。 しばらくして、男性の二人連れが入室してくるとその女性は、そっと物陰に隠れます。その女性を探しに来たらしい男性のうち一人が「Miss Wilhelmina Purslingとは婚約寸前の状況なんだ。彼女はネズミみたいにおとなしくて、俺のすることには何も文句を言わずに 家庭を守ってくれる。まさしく俺の求める妻だ」などと言っていした。
女性が表情も変えずその言葉を聞いている姿からは、到底ネズミみたいなおとなしいタイプとはRobert には思えませんでした。その後、彼女に興味をもったRobert それとなく観察したところ、人前では目立たないように壁の花のごとく振る舞っているものの、本質は違うことと見抜きました。
Miss Minerva Lane (Minnie)は、12歳のときに巻き込まれた大きなスキャンダルから逃れるために、Wilhelmina Purslingという偽名で正体が知れないように目立たないように気をつけて暮らしています。現在、世話になっている老婦人が亡くなった場合には、住むところも生活のすべも無くなってしまうことから、それまでに何とか結婚する必要があります。現在の求婚者はイマイチですが、生活の保障と引き換えに夫に好きなことをさせるのは仕方がないと考えています。
Brothers Sinister Series の一作目です。このお話より30年くらい前の出来事がThe Governess Affair で描かれています。The Governess Affairのヒロインは本作のヒーローRobertの異母弟Oliverの母親です。読まなくても楽しめますが、読んでおいたほうが楽しめると思います。
権力を傘に弱い立場の女性を踏みにじってきた父親を反面教師にしたRobertは自分の影響力を知りそれを世間のために上手く使える誠実な人間です。財政的に破綻した父は裕福な商人の娘を妻にしましたが、妻の人格を認めず財布としてしか見ませんでした。見かねた妻の父が、義理の息子が勝手に資産を浪費できないようにしたところ、お金を出さないとRobertに会わせないという手段にでました。このため、Robertは幼いころからほとんど母親に会えずに育ちました。家庭を知らずに育ったRobertですが、いずれは自分で暖かい家庭を作りたいと願っていました。
Minnie の父はBaronetの五男で資産がないためチェスを教えることで生活していました。Minnieはものごごろついたころから、父からチェスの手ほどきを受けていました。Minnieが5歳のとき母親が亡くなりますが、仕事でヨーロッパに向かう父が男の子のかっこをしたら一緒に連れていけると言いだします。それが何を意味するかもわからないままMinnieは同意し男の子のMaximilianとして暮らし始めます。
Minnieが12歳の時、チェスのヨーロッパ選手権に出場します。当時、財政的に困窮していたMinneの父は、有利と言われているMinnieが負ける方に全財産を賭けMinnieに八百長で負けるように指示しました。Minnieが断ったところ、Maximilian Laneは女性Minerva Lane であることを暴露ししまいます。Minnieの父は世間を欺いた罪を裁判で問われた時に、すべては娘のMinnieの考えたことだと罪をMinnieに押しつけてしまいます。（この時代、男装/女装や性別を偽ることは現代では考えられないほど罪深いことのようです）
Robertの取ったある行動から、二人は結婚しなければならない状況になったことから結婚します。「何があっても君を守る」とMinnieに誓ったRobertですが、お話の後半でMinnieとの約束を守れない事態になってしまいまいます。
重たいお話ですが、ヒーロー、ヒロインをはじめ登場人物の心情が細かく描かれており読み応えがあります。
本作のヒロインの親友Lydiaの婚約者が本作の悪役で、最後には投獄されてしまうため婚約破棄となります。それから一年後くらいのお話です。
女性が表情も変えずその言葉を聞いている姿からは、到底ネズミみたいなおとなしいタイプとはRobert には思えませんでした。その後、彼女に興味をもったRobert それとなく観察したところ、人前では目立たないように壁の花のごとく振る舞っているものの、本質は違うことと見抜きました。
Miss Minerva Lane (Minnie)は、12歳のときに巻き込まれた大きなスキャンダルから逃れるために、Wilhelmina Purslingという偽名で正体が知れないように目立たないように気をつけて暮らしています。現在、世話になっている老婦人が亡くなった場合には、住むところも生活のすべも無くなってしまうことから、それまでに何とか結婚する必要があります。現在の求婚者はイマイチですが、生活の保障と引き換えに夫に好きなことをさせるのは仕方がないと考えています。
The Duchess War: Brothers Sinister Series, Book 1 (The Brothers Sinister)
- 出版社/メーカー: Courtney Milan
- 発売日: 2012/12/06
- メディア: Kindle版
Brothers Sinister Series の一作目です。このお話より30年くらい前の出来事がThe Governess Affair で描かれています。The Governess Affairのヒロインは本作のヒーローRobertの異母弟Oliverの母親です。読まなくても楽しめますが、読んでおいたほうが楽しめると思います。
権力を傘に弱い立場の女性を踏みにじってきた父親を反面教師にしたRobertは自分の影響力を知りそれを世間のために上手く使える誠実な人間です。財政的に破綻した父は裕福な商人の娘を妻にしましたが、妻の人格を認めず財布としてしか見ませんでした。見かねた妻の父が、義理の息子が勝手に資産を浪費できないようにしたところ、お金を出さないとRobertに会わせないという手段にでました。このため、Robertは幼いころからほとんど母親に会えずに育ちました。家庭を知らずに育ったRobertですが、いずれは自分で暖かい家庭を作りたいと願っていました。
Minnie の父はBaronetの五男で資産がないためチェスを教えることで生活していました。Minnieはものごごろついたころから、父からチェスの手ほどきを受けていました。Minnieが5歳のとき母親が亡くなりますが、仕事でヨーロッパに向かう父が男の子のかっこをしたら一緒に連れていけると言いだします。それが何を意味するかもわからないままMinnieは同意し男の子のMaximilianとして暮らし始めます。
Minnieが12歳の時、チェスのヨーロッパ選手権に出場します。当時、財政的に困窮していたMinneの父は、有利と言われているMinnieが負ける方に全財産を賭けMinnieに八百長で負けるように指示しました。Minnieが断ったところ、Maximilian Laneは女性Minerva Lane であることを暴露ししまいます。Minnieの父は世間を欺いた罪を裁判で問われた時に、すべては娘のMinnieの考えたことだと罪をMinnieに押しつけてしまいます。（この時代、男装/女装や性別を偽ることは現代では考えられないほど罪深いことのようです）
Robertの取ったある行動から、二人は結婚しなければならない状況になったことから結婚します。「何があっても君を守る」とMinnieに誓ったRobertですが、お話の後半でMinnieとの約束を守れない事態になってしまいまいます。
重たいお話ですが、ヒーロー、ヒロインをはじめ登場人物の心情が細かく描かれており読み応えがあります。
本作のヒロインの親友Lydiaの婚約者が本作の悪役で、最後には投獄されてしまうため婚約破棄となります。それから一年後くらいのお話です。
A Kiss for Midwinter (The Brothers Sinister)
- 出版社/メーカー: Courtney Milan
- 発売日: 2012/12/16
- メディア: Kindle版
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