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青い城 [Historical]

--- 出版社サイトより ---

内気で陰気な独身女性・ヴァランシー。心臓の持病で余命1年と診断された日から、後悔しない毎日を送ろうと決意するが……周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!


青い城 (角川文庫)

青い城 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/11/29
  • メディア: Kindle版


Kindle Unlimited で読みました。
赤毛のアンで知られる作家、L・M・モンゴメリの書いたロマンスです。
※Sensualityの高いものを好まない方におススメ

親や、親戚たちに抑圧されて 自分の意思を表に出せないヴァランシー 29歳
当時としては立派な?行き遅れで結婚の望みは皆無、もしかしたら、中年の子持ちの寡が子供たちの母親が欲しいと思って結婚するかも?な境遇です。

美人でもなく年長者に取り入る才気もないため、親にも軽んじられて自分の意思で行動することができないヒロイン。余命が1年と医師に診断されたことから、好きに生きるための行動を起こしてから、すべてが変わっていきます。環境は変わっていないのに、ヴァランシーは幸せな生活を自身の力で手に入れていくのです。

ロマンスのヒロインは不幸せな生活から助け出してくれる白馬の王子様を待っているダケと思い込んでいる人には目から鱗と思います。ストーリーの展開は少々ご都合主義ですが、人生を変えるには まずは、自分の行動を変えること というメッセージを感じます。

余談ですが、勤務先の従業員教育で「性格は変えられないが、行動は自分で意識することで変えられる」という話があったなぁ と思い出しました。

ヒロインがヒーローに髪を切ってもらうシーンは、彼女の周囲に囚われない自由な精神の象徴に感じました。当時のカナダで髪を切る女性はいたようですが極わずか、二人が住む地方では病気にでもならなければ髪を切ることななかったようです。
日本では大正時代と思われるので、モガの断髪(ボブカット)を想像して読んでいました。 

ヒーローのバーニイはなかなか出てこない上に、人なりは描かれるのですが、職業やどのようにして生計を立てているのかは後半まで謎のまま、彼もヴァランシーに出会うことで生活が変わり幸せになっていきます。

身なりに構わず(無帽に作業服、無精ひげ)オンボロの車(当時、車はやっと一部の豊かな人が買い始めるころ)を乗り回し、職業不詳で周囲の人との交流を持たない男。地方では現在でも浮きそうな人ではあります。ヴァランシーの親族たちには胡散臭い男として嫌われ、ヴァランシーは騙されているのとの結論に至ります。

バーニイとヴァランシーが過ごす湖の小屋とその周囲の自然の描写が美しく詩的に表現されていて、夏にバカンスでゆっくりこの小屋で過ごしたいなと思いました。

タグ:Canada
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